副業で1ヶ月に1万円稼ぎたい! と思って始めたのに、結構な稼ぎになって「あれ? 副業も確定申告が必要なの?」と、慌てる前に、知っておきたい税金のこと。
副業の話をすると、必ず聞かれるのが「会社にバレない方法を教えて」です。
私は税理士ではないので、税のことは語れません。
しかし、ネットで調べると「いい加減なニセ情報が出回っている」という書き込みが!
これは、いけませんね。
このサイトでは、税理士先生が名前を出して答えているものを、引用する形でまとめましたので、参考にしてくださいね。
1. あなたは申告が必要?
では、まず最初に副業の定義です。
『本来、課税制度では総合課税制度の考え方に基づき、原則として総収入に対して課税されます。
税法上には副業という言葉はなく、所得の種類によって課税の方法が異なります。
・一般的な会社員やパート社員・・・給与所得
・個人事業主・・・事業所得
・マンションや貸事務所・駐車場などの不動産のオーナー・・・不動産所得
・株や金融商品などの売買(譲渡)・・・譲渡所得
・フリーマーケットやアフィリエイト、ネットオークションなどの収入・・・雑所得
インターネットからの収入は、通常生計を立てるほどの規模ではないとの認識から「雑所得」と呼ばれています。
もちろん、副業として始めたことの収入金額が本業を上回るほどの規模であれば、それは「事業所得」とみなされます。
これらの副業の収入は、すべて自らが申告することであり、税務署から指摘されるわけではありません。
しかし、私たちは正しく確定申告をし、納税をする義務があります。』
MFクラウド会計・確定申告より
副業の収入もきちんと申告しなければいけませんね。
では、確定申告が必要な方とはどんな人でしょうか?
国税庁のホームページから副業に関係あるものを抜粋。
▼給与を2か所以上から受けていて、年末調整をされなかった給与の収入金額と、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く)との合計額が20万円を超える
※給与所得の収入金額の合計額から、所得控除の合計額(雑損控除、医療費控除、寄附金控除及び基礎控除を除く)を差し引いた残りの金額が150万円以下で、さらに各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く)の合計額が20万円以下の方は、申告は不要です。
▼同族会社の役員やその親族などで、その同族会社からの給与のほかに、貸付金の利子、店舗・工場などの賃貸料、機械・器具の使用料などの支払を受けた
▼公的年金等の収入金額が400万円以下であり、かつ、公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下である場合には、所得税及び復興特別所得税の確定申告は必要ありません。
なお、住民税については「市区町村からのお知らせ」を参照してください。
「市区町村からのお知らせ」を見てみましょう。
年金所得者に係る確定申告不要制度により所得税及び復興特別所得税の確定申告をしなかった場合で、次に当てはまるときは住民税の申告が必要です。
・公的年金等に係る雑所得以外の所得があるとき
ここがポイント!
ネットでは、簡単に所得金額が20万円以下なら、申告の必要がないと書かれています。
確かに所得税及び復興特別所得税の確定申告は、必要ないのですが、住民税の申告は必要ってことですね。
2. ネットに出回っているウソの対策となぜバレるのか

なぜ副業が会社にバレるのか?
『住民税は、提出された確定申告書の本業の給与収入の金額と、副業の給与収入、事業所得(雑所得ほか)の金額を合計して計算されます。
そしてこのように確定申告に基づいて計算された住民税額が、次の6月以降に会社のお給料から住民税として天引きされるわけです。
このとき、会社の給与計算の担当者が、「あれっ、この社員、会社でもらっている給料の割には住民税が高いから何か副業をしているな」と気づくことで、サラリーマンの副業がバレるのです。
ですから、サラリーマンの副業が高収入の場合は、簡単に会社にばれることになります。
なお、副業がサイドビジネスの場合において、赤字申告で確定申告することにより会社にばれることがあります。
副業は事業所得か雑所得に区分されるわけですが、事業所得と区分された場合、副業の赤字は給与所得と相殺され、住民税の金額を大きく下げてしまうことがあるためです。』
税理士事務所センチュリーパートナーズ/齋藤一生税理士事務所より引用
ウソ:確定申告書の第二表で「自分で納付」を選択すればバレない
確定申告書の第二表で「自分で納付」を選択するだけではダメなことも非常に多くあるのです。
『特別徴収として会社に通知されることはよくあります。
副業がアルバイトの場合には、会社に副業の収入金額の通知や住民税額が本業の会社に送られてしまっても当然ですし、それが普通なのです。
確定申告書の第二表に丸をつけただけで安心してはいけません。
ほかに、「損益的に普通徴収にできなかったパターン(ネットビジネスなど個人事業に多い)」、「住宅ローン控除が絡んだパターン(多いです)」、「医療費控除が絡んだパターン」、「株式投資もしてしまっていたパターン」などがあります。これらの控除がある場合は、どうしてもリスクが残ってしまうこともあります。
そしてまた、上記とは別に存在するのが、と思われるのが「確定申告後に何もしなかったパターン」でしょう』
税理士事務所センチュリーパートナーズ/齋藤一生税理士事務所より引用
ウソ:在宅(自宅)で副業を少しするだけ・振込ではなく手渡しなら大丈夫
『副業の勤務先があなたに支払った金額を既に市区町村の税務課に給与支払報告書という形式で報告していることが多くあるため、確定申告をしなければ、自動的に本業の会社に副業の住民税も通知されるリスクが大きいということです。
ですから、副業の収入が20万円以下でも、確定申告を市区町村に対して行い、ばれるリスクを排除したり、低くしたりする方がはるかに安全です。』
税理士事務所センチュリーパートナーズ/齋藤一生税理士事務所より引用
3. 追い打ちをかけるマイナンバー
ウソ:今年度からマイナンバー制が導入されたので、もう逃げられない
どうやら、マイナンバーは副業がバレることと関係ないみたいです。\(^o^)/
『国税局の友人にもヒアリングしてみましたが、マイナンバーが原因で副業が会社にバレる可能性は限りなく0です。
税理士業務を行う私が徹底的に解説します。
マイナンバーで副業がバレるのは下記の2パターンしかありません。
・会社が役所に「このマイナンバーの社員が副業をしているか」と問い合わせる
検証:結論から言うと、会社は役所に従業員が副業をしているかを聞くことができません。
なぜなら、会社のマイナンバーの利用目的は法律上厳しく定められているからです。
なので、そのような使い方をすることは法律上許されておらず、会社が役所に副業をしているかを聞くことはできません。
仮に会社がそれを知らずに役所に問い合わせたとしても、役所は門前払いをします。
・役所が会社に「このマイナンバーの人は副業をしている」と教える
こちらも、役所が会社に副業をしているかどうかを教えることはありません。
なぜなら、役所についてもマイナンバーの利用目的は法律上厳格に定められているからです。
なので、役所がマイナンバーについてこのような使い方をすることは法律用許されておらず、役所が会社に副業をしていると教えることはできません。
したがって、何度も何度も言いますが、マイナンバーで副業がバレることはありません。
マイナンバーがないときも、役所は1人1人に番号を振って管理をしていました。免許証の番号のようなものです。
なので、マイナンバーが始まる前から、その番号で名寄せをすることが実はできたのです。
したがって、マイナンバーの名寄せについてもマイナンバーが始まる前と変わりません。』
LOM合同会社 お金の法則より引用
ここがポイント!
マイナンバー導入で、問題になるのは無申告の人です。
副業がバレると恐れている人は、「無申告の税逃れ」の人ではなく、「副業禁止の会社員」が会社にバレると、思っている人です。
マイナンバーは本質的に、問題にしているものが違います。
4. この都府県にお住まいの方はバレる確率が高い
今年度は副業がバレると噂されている本当の問題は、マイナンバーではなく、こちらの問題です。
『特別徴収推進活動』です。
こんなキャラクターまで作ってがんばっています。


東京都主税局特別徴収Q&Aより
▼個人住民税の納付方法とは?
「納付方法は、「特別徴収」と「普通徴収」があります。
給与所得者については、6月から翌年5月までの毎月の給料から徴収されます(特別徴収)。
その他の方については、区市町村から送付される納税通知書で、年4回に分けて納めます(普通徴収)」
▼個人住民税の「特別徴収」とは何ですか?
「事業主の方(給与支払者)が従業員の方(納税義務者)に代わり、毎月給与から個人住民税を差し引きし、納入していただく制度です。
(※)個人住民税とは、個人都民税と個人区市町村民税を合わせたもので、1月1日現在お住まいの区市町村で課税、徴収される税金です」
▼今まで特別徴収をしなくてもよかったのに、何が変わったのですか?
「地方税法では、所得税を源泉徴収している事業主については、従業員の個人住民税を特別徴収しなければならないことになっています。
法令改正があったわけではなく、今までもこの要件に該当する事業主については特別徴収をしていただく必要がありましたが、制度の周知が十分でなく、徹底が図れていない状況にありました。
そのため、東京都と都内区市町村は、平成26年度から平成28年度までを特別徴収推進期間と定め、特別徴収制度の広報、周知活動に取り組んでまいりました。そして、平成29年度から、特別徴収を徹底することとしました」
▼従業員から、「給与から特別徴収(差し引き納入)ではなく自分で納付したい」といわれているのですが?
「給与所得者の個人住民税は原則として特別徴収の方法により徴収しなければなりません。したがって、従業員の希望により普通徴収を選択することはできません」
東京都主税局ホームページより引用
ここがポイント!
企業側も、面倒なのでアルバイトやパートは普通徴収という所が以前は一般的でした。
私が10年前にアルバイトで働いていた会社でも、正社員は特別徴収でしたが、アルバイトは普通徴収でした。
若いアルバイトの人は自宅に送られてくる住民税の納付書など捨ててしまうようで、督促電話がかかってくるので家に帰りたくないと、残業していました。
週5日働けば、月給が20万円くらいでしたので、住民税もためてしまうと大きな金額になっていましたね。
一般的な傾向として、年配者は税金だから、支払いが厳しくても支払わないといけないと優先で税金を支払いますが、若い方はそういう考えがない方が多いとその時感じました。私が働いていた会社だけでも、若い方が住民税を滞納している傾向があったので、全国的にその傾向が強くなり、特別徴収推進活動が始まったのかもしれません。
ではその「特別徴収推進活動」を行っているのは以下の地域です。
青森県、宮城県、山形県、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県、栃木県、群馬県、長野県、岐阜県、山梨県、静岡県、愛知県、大阪府、滋賀県、京都府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、山口県、香川県、福岡県、熊本県、大分県、沖縄県
※私が調べた範囲です。ここに記載がなくても実施している可能性があります。
気になる方は、ご自分がお住いの市区町村のホームページで「特別徴収推進活動」と検索してみてください。
何年までに完全実施を目指します!というスローガンが掲載されています。
その年度で、自分の危険度を感知してください。
まとめ
副業が会社にバレる最大のタイミングは、住民税の通知が毎年5月末までに会社に届き、担当者がその処理をする時です。
「あれ? Aさん、確か給与は私と同じくらいなのに、随分住民税が高いなあ」と、担当の方が不審に思う時です。
扶養家族の人数によっても金額が変わるので、そこまで気にする人は、よほど暇な人です。
または「ウチの会社は副業禁止なのに、している人がいるかもしれない。見つけてやる」と思っている人くらいでしょう。(笑)
たとえ、担当者があれ? と思ってもそれを上司に報告しなければ問題にはなりません。
私は、従業員が300名ほどの会社の人事総務課でアルバイトをしたことがあります。
各区市町村から住民税の金額を記載した書類が届く部署です。
PCにそのデータを入力するのが、私でした。
確かに、年収が多いのに税金が少ない人は目に付きました。
扶養家族が多いのだろうなあと、勝手に想像しました。
何故か、住民税が多い人は目立たなかったような気がします。
副業は禁止されていたので、皆さん守られていたのでしょうか?
入社したての独身の方は、家族手当や住居手当がなく、扶養家族がないので同じような給与で同じような税金でした。
そこで住民税が多いと確かに目立ったと思います。
副業に熱心になって、本業がおろそかにされては困るという企業の考えも解りますが、そこまで多く給与を払っていないのでは、そのような主張は通らなくなります。
リクルート、ヤフー、ソニーなどでも副業はOKですし、申請すればOKという会社も増えています。
以上を考慮して、副業をやめるかどうかも含めて、決めるのはあなたです。