今回のテーマは「リファラル採用」についてなのですが、
あなたは、1番大切な人に、自分の会社への転職をすすめることができますか?
と、題して、私が以前勤めていた会社での1つのエピソードをご紹介したいと思います。
昨今、リファラル採用が大変注目されていますが、求人広告を出しても良い人材を採用できないから、別の手段として注目されているように思います。
しかし、リファラル採用の良さは、別のところにあると、私は考えています。
社員が、大切な友人に「自分の会社に入らない?」と誘うなんて、よほど、自分の会社を気に入っていないと、いくらインセンティブに力を入れても、紹介しないと思います。
リファラル採用の良さは、社員みんなで、自社を「大切な友人に紹介したくなる良い会社」に改善していくことにあると思います。
そこで、私が経験したびっくりする素晴らしい採用について、お伝えしたいと思います。
25年以上前のことですが、私がある企業の人事・労務部で働いていた頃のことです。
ある地方在住の女性社員に、東京への転勤要請がありました。
彼女はとても優秀で、成績が落ち込んでいた部署を、立て直した経験があります。
そのため、社長は彼女に、東京にある部署のテコ入れをお願いしたいと考えました。
彼女は転勤なしの、地方採用で就職していたため、最初は断ったそうです。
ご主人を置いて、単身東京へ行くことは考えられないと。
しかし、社長はどうしてもあきらめきれなかったのです。
そこで、社長と女性社員夫婦の3者での話し合いが行われることになったのですが・・・
その結果、ご主人が今の仕事を辞めて、奥様の会社に入社することになったのです。
今のように売り手市場ではなく、リファラル採用なんて言葉もない時代でした。
この話を聞いた時は、社長の判断がすごいなあと思った記憶があります。
しかし今、もっと広い視点で考えると、夫婦が同じ職場で働くリスクを考えた上で、ご主人の転職を後押しした、女性社員が素晴らしいなと思うのです。
職場結婚で、夫婦がそのまま同じ職場で働くということは、よくある話です。
昭和時代は、職場結婚をしたら、女性は退職しなければならないという社内規定がある会社もありました。
現在は、多くのご夫婦が、そのまま仕事を続けています。
このケースは、夫婦が同じ職場で働くと言っても、まったく別の次元の話です。
元々ご夫婦は別の会社に勤めていたのに、奥様の会社に転職されたのです。
女性社員は、自分の会社を心から良い会社だと思っているから、できたことだと思います。
ここまで、社員に自社を好きになってもらえたら、本当に素晴らしいですね。
ちなみに、この会社は、私が勤めていた頃に東証マザーズに上場し、現在は東証プライムになりました。
社員が自社を好きになってもらえる環境が、会社の成長にも繋がったのだと思います。
私のリファラル採用の目指すゴールは、「自分にとって1番大切な人に、自分の会社への転職をすすめるほど、好きになってもらう」ことだと思います。
そうして、そのような良い環境や、風土は、外から与えられるものではなく、社員自らが話し合い、目指すものだと思います。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は「あなたは、1番大切な人に、自分の会社への転職をすすめることができますか?」
と、題して、私が以前勤めていた会社での1つのエピソードをご紹介しました。
新潟県の岩塚製菓は、親子二代、三代で働いているファミリーが多く、マスコミで取り上げられていますね。
自社を心から好きになり、誇りを持てる会社に社員みんなで改善していくリファラル採用を、ぜひ御社でも取り入れてみてください。